さざ波
「はい、テスト終了。お疲れさん。じゃぁ今日はこれで、委員長、あいさつ」
「きりーつ、さようなら」
「さようなら」
期末テストが終わった。
解放感に満ち溢れる教室は、ざわざわとしていて、そのざわめきがどこか、心地よかった。
「柚子!!帰ろっ」
隣のクラスも終わったらしい。
いつの間にか、幼なじみの紗英が隣に立っていた。
「あー私、今日用事あるから…ごめんね」
「そうなの?いいよ、いいよ。じゃぁね」
「うん、ばいばい」
紗英は手を振りながら、教室を出て行った。