ありがとう【被害妄想彼氏 番外編】
「俺は森川慎二。

聞いての通り、関西人や。
ゆうても小学生からこっち越してきてんけどな。」



彼は、『よろしく』と言わんばかりに握手を求めてきた。



私は無言で手を出し、
握手を交わした。




その後メンバーが揃い、
カラオケに行く事となった。



慎二くん以外は予想した通りインテリ系だ。



「ゆ~りちゃ~ん。

飲んでるぅ~?」



慎二くんはケラケラと笑いながら近寄ってきた。


「慎二くん、まさか酔ってんの?」



私がそう言うと、



「違うよ、
慎二くんはいっつもあんな感じなの。」




と、真美は答えた。



「ぅわぁ―――!!

ありえへん!
歌いたかった新曲入ってへんし!」



もう、『アカペラで歌うわ』と言わんばかりに熱唱する。




サビの部分だけ歌って満足したのか、
次はマラカスやタンバリンを使ってシャカシャカと踊り出す。



───変な奴。



始めの印象はそれだった。
でも、悪い訳では無く、むしろ面白かった。
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