ありがとう【被害妄想彼氏 番外編】
カラオケも終わり、
二次会へと繰り出す。
いつもの私ならここで帰るはずだった。
───だけど、
なんだか慎二くんが面白くて…
帰るのが惜しいと思った。
「俺、二次会パス!」
そう言ったのは慎二くんだった。
「え?
主催者のくせに何言ってんの??」
真美は眉間にシワを寄せた。
「ごめんなぁ!
家が厳しいねん。」
────そんなチャラチャラしてて家が厳しいとはどうゆう事か。
「そーゆうわけで、
由梨ちゃん連れて帰るわ~」
…………え?
「あ!
それが目当てなわけね!」
真美は悪戯そうに笑って手を振った。
「さー、
由梨ちゃんどこ行く?」
私の肩に手をまわして言った。
「家厳しいんじゃなかったの?」
私がピシャリとそう言うと、
慎二くんはおでこに手を当てて悶えている。
「そやねん!
『早く帰ってくんな』って厳しいねん!」
「なにそれ?」
私はケタケタと笑っていた。
「せやからさ、
二人でどっか行かへん?」
私は静かに頷いた。