どっちが先生?
画面には先生の番号
「…はい」
『菜月だろ?』
「…うん」
『まさか今日
電話かけてくるとは
思わなかったよ。』
「いや、別に…」
『別に…ってなんだよ』
あたしは何て言ったら
いいのか、わからない。
しばらく黙りこんだ。
「ねぇ?」
『何だ?』
「どっちが本当の先生なの?」
『さぁな』
先生は、ハハハと笑った。
『菜月また泣いたろ?』
「泣いてないし」
『声でわかる』
先生はどうして
あたしのことが
わかるのだろう…