どっちが先生?



気付けば1週間が
過ぎようとしていた。



部屋でテレビを見る。



すると突然ケータイが鳴った。

無意識に通話ボタンを押した。


「はい?」

『元気か?』


びっくりした。

先生だった。


「…うん」

『明らかに元気ないじゃん』


あたしは黙ってしまった。

急に込み上げてくる涙。


「…先生…助けて」


消え入りそうな声で
あたしは言った。


『一人で辛かったんだな』


「…先生」


あたしは涙が止まらない。


『今家にいるのか?
ちょっと出れるか?』


「…どこに行けばいい?」


『お前んちどこ?』


「駅の横のみどり公園の近く」


『じゃあ今からそこ来て』


「うん」



あたしは家を飛び出した。



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