どっちが先生?
「わかんない…
でも傍にいて…」
そう言うと先生は
ただ黙ってあたしを
抱きしめてくれた。
しばらくの間あたし達は
黙ったままだった。
あたしはそっと体を離し
先生の顔を見た。
先生と目が合う。
すると先生は
ニコッと笑った。
それに吊られて
あたしも笑ってみた。
だけど、ずっと
一人でいたからなのか
うまく笑えなかった。
「俺が菜月に
笑顔を取り戻させる」
先生はしっかりと
あたしの目を見てそう言った。