ハロー グッバイ ハロー



春木くんが動こうとするたび、あたしは体をこわばらせてしまう。

…だってさっきの耳、弱点だったし。



「なんもしねーっての。じゃあ当番、てきとーに決めといて」


「ど、どこ行くの?」


「コンビニ」



春木くんは上着を羽織って外に出た。


ポツンと残されたあたし。


誰もいない野田家で、あたしは「ばか」と呟いた。











…………



春木くんが帰ってきたのは、一時間後のことだった。


「ただいまー」



と帰ってきて、リビングの電気をつけて驚いた春木くん。



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