ハロー グッバイ ハロー


角を曲がって、自販機の陰に隠れた。

春木くんは隠れているあたしを追い抜いて、先に走ってった。


春木くんにほっとして、補導されるかもということにはっとして。
公園の中に避難することにした。



荷物を置いて、ベンチに座って、あたしはぼーっと空を見上げた。




狭い空だと思った。

街灯がなければ星はもっときれいに輝くのに。


あたし早速ホームシックにかかっているのかなぁ。


空が狭くて、車が多くて明るくて。

補導されることも多くて。


あたしが田舎者なんだって、改めて気づく。

ちっぽけな世界しか知らなかったんだって。
何も知らないんだなぁ、って…。


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