ハロー グッバイ ハロー
「飯は食えないから、とりあえず準備して…急ぐぞ!」
春木くんはバターンと扉を閉めて、かなりの駆け足で階段を降りた。
あたしも急がねば…!
転校初日だってのに、こんな朝から始まったんだ。
「陸トロイ! ほら!」
かなり切羽詰っていたから、気にしている余裕なんてないらしい。
春木くんはあたしの手を引いて、昨日の夜みたいにあたしを引っ張って走ってくれた。
骨ばった大きな手、長い指。
…そういえば、男の人の手って、初めて、かも。