打算的な彼女とサブカル彼氏
携帯を開いて文章を考える――

不本意だが浅野くんはメールの質よりも、量みたい、よって、メールは簡略に・・でも軽く思われないように・・書かねば・・

私は完全犯罪を目論む犯人を追うが如く、頭の中で計画を練り回す。

浅野くんが緑ジャケットのスリムな大泥棒なら

私は灰色の脳細胞の探偵にならないと・・・

短く判りやすく・・・
以下の文章を書いた――

『浅野くん、映画興味あるので、出来たらいきたいです。誘ってくれてありがとう』

絵文字を使うタイミングわからないが・・どうだろう?

友人の麻子から誕生日に貰ったピンクゴールド色の時計の針を見ながら――

5分以内にメールをくれると思う――

実際に予想は当たった。

長いメールも確かに良いのだけれど、短い時間で返信がくるのは、なんか互いの距離が短く感じれるのかもね・・・
そういうのココロの距離っていうのかな・・

そんな事を感じながらも、待ち合わせ時間等をメールした。

次の日曜日、十時に駅前のロータリー。
映画の後にカフェにいく。





< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop