雨のワルツと月のダンス


次の日


そこには笑顔の少しぽっちゃりとした
3年生が立っていた

「はじめましてー!城島滋だよー、シゲルって呼んでね。シゲさんとかでも良いよ!」



2つ上とは思えない元気さだ…
「はぁ、よろしくお願いします…」
僕がそう答える横で
矢野さんは目を見開いて
ピンと立っていた



「あ、顧問探すんだっけ?それならうちの担任が昔バンドやってたから大丈夫だと思うよ。あとそれから僕はギターやりたいからそこんとこよろしくね」



僕はこの人の事が好きだ。と
そう思ってしまった

勢いよく話すけれど
その言葉ひとつひとつが聞き取りやすく
イケメンでこそないが
人を惹きつける笑顔を持っていた



「よろしくお願いします。」
僕は思わず深く頭を下げた


矢野さんはずっと立ち尽くしていた


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