雨のワルツと月のダンス


「あんな人とは思わなかった。」


矢野さんはため息をつきながら
そうつぶやく



僕たちは城島先輩と別れた後
食堂で昼食を食べていた



いつの間にそんなに仲良くなったか?

僕たちは互いにろくに友達もいないため
初めて話した次の日から
自然に一緒に昼食を取る事になった

というか矢野さんがいつも誘ってくれる



「メールの時はね。すごく紳士的な人だったの。まあ、悪い人ではなさそうだけど。」

部員募集のポスターを見てメールをくれたので、矢野さんも会うのは初めてだったらしい



「まあ、顧問も見つかりそうでよかったかな。」

彼女は頬にうどんを蓄えながら言った



とても不味そうに食べる人だ。

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