雨のワルツと月のダンス
「ところでさ」
僕の足が限界に差し掛かった時
城島先輩は口を開いた
「基礎連とかばかりでも楽しく無いと思うんだよ。何か練習曲とか決めないかな?」
「そうですね。でも誰がボーカルするんですか?」
矢野さんは言った
「え?あかりちゃんじゃないの?僕の唄はバンド向きじゃないしさ。」
それを聞くや否や矢野さんは驚いて
「本気ですか!?私ベースもまだ弾けないのに唄とか…」
不安そうに口ごもった
「大丈夫だよ。ずっと音楽聞いてた事もあってリズム感とかあるしね。才能あると思うし声も綺麗だし」
城島先輩は素敵な笑顔で言う
「…うう。やりたくなくはないですけど…。」
僕たちは3ピースで
女性ボーカルという事で
チャットモンチーを練習する事になった