あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
「川脇だったら、家に入れなくなったらどーする?」


井出がわりかし真剣に聞いてやがる。


「俺?俺だったら、寮のあるとこ入って働くかなぁ…。それしか思い付かねーなぁ…」

「あぁ!その手もあったな!川脇、立派だなおまえ!」


その手『も』じゃねぇだろ。
井出、おまえには何の手も思い付いてなかったじゃねぇか。


「なぁ、田口、音無んとこ行かなきゃいけないんだろ?」


井出にほめられた事は流して、川脇がオレに言った。


「行ってくるかなぁ〜。めんどくせぇ…」

「あ!オレも一緒に行くわ!音無に、進路希望出し行く」


井出がカバンの中から、きたねー字で書かれた、どーでもいー紙にしか見えねぇ、よれた進路希望を取り出した。

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