あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
「田口、おまえ働きたいのか?」


ボーッと妖精のこと考えてたオレに、音無がすげぇ辛気くせー顔で聞いてきやがった。

あ〜〜、めんどくせーな、音無とのミニ面談。
茶ーくらい出せよ。
気のきかねぇオッサンだな。


…とりあえず、ここは前向きに東京行きてぇって話を進めねーと、終わるもんも終わらねぇな。


「音無せんせー、オレ、働きたいから高校行きたくねーの。東京で働いて、ジリツしたいんです」

オレはせぇいっぱい、てーねーに音無に向き合った。
ようなフリをしてやった。


「そうかぁ…!田口おまえ、自立したかったのか……」

お、なんか音無のオッサン、じゃっかん納得しそーな空気だぜ。

「でもなんでわざわざ東京なんだ?この辺でも、電車でちょっと行けば、働くとこなんかあるだろ」

「この辺でもあるのは知ってるけど、オレ、田舎から出て、都会の人間ん中で、一人の男として強くなりたいって思ってて…。」




「………………
そうかぁ……。
おまえにも色々考えがあるんだろな…」


音無が前向きに理解しようとしてやがるぜ。
いいぞ音無、その調子だ。
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