あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
すげぇワケのわかんねー気分で玄関開けたら、いつもどーり母親が出てきやがった。

毎回出迎えてくれて、ホントに親切な親だぜ。

どーやら親は親切な生きもんだから、親切っつー漢字ん中に入ってんだな。


「涼介おかえり!
なんかねー、今日、担任の音無先生から電話があってね、あんたがすごい真剣に自立したいって言ってるって聞いたのよ〜」


え、マジで?
行動だけは素早いな、あのオッサン。
動きはにぶいのにな。


「んで?」

「音無先生、すごい真剣に話してくれてねぇ、ちょっと真面目に向き合ってやってくれないかって言っててねぇ、お父さんにも話してみるから」

「ふ〜ん。オレはぜってー東京行く言ってるって、話しておいてくれ」

「話してみるから、あんたも真剣に考えんのよ!もうごはん出来るから、座ってな!」

「オレ、いろいろ考えてぇから、部屋で食う」

「おまえ、意外に真面目なんだなー」


テレビ見ながら、兄貴が口を突っ込んできやがった。



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