あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
寝そべってる兄貴の横に、いつも兄貴が読んでるファッション雑誌が転がってやがる。

毎月毎月読んでんのに、いつまでたってもオシャレさんになる気配は、この男にはねぇけどな。


オレが、たまたま目をやった兄貴のファッション雑誌の表紙に、『恋』っつー文字が、ちっさく見えた。


恋????


もしかしたら、ホンットもしかしたらだけど、こーゆーの読んだら、恋が何もんかについて、ちょっとはわかんじゃねぇのか??!
いや、読まねぇよりは、マシになんだろ。


オレは、出来立ての夜メシと、兄貴の雑誌を無言でかっさらい、オレの部屋に上がった。
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