あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
「沢辺、家、この辺なの?」


聞いちゃったよ、俺。


「ううん。菊野台」


「え、マジで?」


‘菊野台’ってゆーのは、すげー山ってゆーか坂上がってったとこにある、すげー高いとこにある住宅地なんだよな。

チャリ押して帰んのは、けっこう大変な場所。

それより、沢辺が普通に答えてくれてよかった…。

『え、何きゅうにこの人、家とか聞いてきてんの…?』
って顔されたら、俺には立ち向かう強さはないからな。




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