あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
もう、すっかりバレてると思うけど、私は田口君に恋をしています。


田口君に恋をしてるって気付いたのは、2年以上前なんだけど……、私の帰る道には、いつも田口君がいました。


田口君は、田口君ちの隣の家のおっきな柴犬(もさ吉)に、いつもちょっかいを出していて。

いつもいつも、すんごい笑顔で。
それはもうすごい笑顔で。


学校では大体ふて腐れてて、音無先生にもいつも噛み付いてるのに、もさ吉の前では、みんなに見せないような笑顔で、すごく嬉しそうで、私はだんだん田口君を好きになっていました。


田口君は、ぶっきらぼうで口が悪いけど、もさ吉にはすごく優しいし、何より芯がすごく強いから。

話せば話すほど、好きになった気持ちがどんどん大きくなっていきました。




田口君は、たぶん、私のことなんて‘ただの一緒に帰る奴’くらいにしか、思っていないと思うけど。

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