あしたなど・わかってたまるか・コノヤロー
『田口君へ。

田口君は、東京に行って、友達と離れるのは淋しくないの?

ユリより。』


って。




私は、前の席に居るあずさちゃんの背中を、ひとさし指でとんとんとたたいた。


「…あずさちゃん、田口君に回してもらっていい?」


振り返ったあずさちゃんに、小さく折りたたんだ手紙を差し出した。


「手紙、久しぶりじゃない?
先生に見つからないように渡すね」


私達はボソボソ会話をして、あずさちゃんは先生が黒板の方を向いたスキに、ナナメ前の席の田口君に、手紙を渡してくれた。
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