現実(リアル)-大切な思い出-
「姉さんが好き?はっ、冗談!大嫌いだよ。だって姉のくせして、俺より出来が悪いんだぜ?恥ずかしくて、弟なのが嫌になる」
「お、おい…」
俺と向かい合っている友人が、気まずそうに声を掛けてきた。
一瞬理由が判らなかったが、ハッとして振り返る。
そこには案の定、姉さんの姿があった。
「あーえっと、日直の仕事は終わったんだけど、先生に用事頼まれちゃって…。ごめん響、先に帰ってて」
そう言って、姉さんは足早に去って行った。
「おいおい、響‥いくらなんでも、あれはマズイんじゃねぇの?」
「完璧にショック受けてたぞ?」
「追い掛けなくて‥いいのか?」
友人達が、気まずそうに顔を見合わせた。
多少の罪悪感は、あるのだろう。
俺は、黙って視線を逸らした。
追い掛けて、謝って、誤解を解かなければ‥そう思うのに、どうしてだろう…。
俺は、全く動くことができなかった。
「お、おい…」
俺と向かい合っている友人が、気まずそうに声を掛けてきた。
一瞬理由が判らなかったが、ハッとして振り返る。
そこには案の定、姉さんの姿があった。
「あーえっと、日直の仕事は終わったんだけど、先生に用事頼まれちゃって…。ごめん響、先に帰ってて」
そう言って、姉さんは足早に去って行った。
「おいおい、響‥いくらなんでも、あれはマズイんじゃねぇの?」
「完璧にショック受けてたぞ?」
「追い掛けなくて‥いいのか?」
友人達が、気まずそうに顔を見合わせた。
多少の罪悪感は、あるのだろう。
俺は、黙って視線を逸らした。
追い掛けて、謝って、誤解を解かなければ‥そう思うのに、どうしてだろう…。
俺は、全く動くことができなかった。