現実(リアル)-大切な思い出-
「おめでとー」


ワンピースの裾を強く引かれ、私は目線を落とした。

私の肩ほどの身長の女の子が、笑っている。

私は少し膝を曲げ、女の子と目線を合わせた。


「ありがとう」


「えへへー」


女の子は得意げに笑った。

そして突然、何かに気付いたように大声をあげた。


「どうかした?」


「それ、可愛いね」

女の子が指差しているのは、私のペンダントだった。

「いいなぁ。欲しいなぁ」


「あ‥ごめんなさい。これは‥「あげなさい、星」」


「お父さん…?」
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