クールな彼はセクシーボイス~彼はなんと人気アニメ声優だった~
「どうかしたか?」



渋谷くんがあたしの顔を覗き込むように見つめる。



きょとんとした表情の渋谷くんだけど、少し大人っぽくて、黒の髪に赤のメッシュは……



渋谷くんには、すごい似合っている。
時々、耳元に邪魔な髪をかける仕草が印象的で、二重があたしを見つめていると思った瞬間……



ドキドキと胸が高鳴った気がした。
その鼓動を追い払うように、目に付いた雑誌を掴んだ。



「そそう言えば……」


「ん?」



渋谷くんが、雑誌に目を落とす。
どうやら、うまくごまかせたみたいだ。


「渋谷くんのキャラって?」



あたしが掴んだ雑誌は、昨日も見た乙女ゲーム雑誌だった。


バラバラめくる。



「違う。渋谷くん以外のキャラって、どんなの?」



「……」



一瞬あたしを見て、溜め息を吐いてから渋谷くんは、あたしにページを見せてくれる。



「はぁ……ここ」



「あ、ありがとう」



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