クールな彼はセクシーボイス~彼はなんと人気アニメ声優だった~
渋谷くんが、固まった。雑誌を持ちながら……



「これをか?……」



あたしは頷いた。



「うん……」



渋谷くんが戸惑っているのが良く分かる。けど、渋谷くんの声で聴いてみたかったから。



「はぁ……一回だけだからな?」



「!うん!」



「え……純粋な家事手伝いの役か……」



渋谷くんは、ブツブツ呟きながら顎に手をやる。



「僕……た……妻……たい……」



渋谷くんは、練習している。横顔が、真剣だ。



「言うから……」



「うん」



あたしは、目を瞑った。



「僕、あなたにふさわしくなりたい。まだ、僕は未熟だ。でも、一人前になりたい……あなたに妻になってほしいから。だから、して……あなたの手で男に……」



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