クールな彼はセクシーボイス~彼はなんと人気アニメ声優だった~
「もう時間がなくなるから聴いててくれる?」



あ、そうだった、あまり時間ないんだね。渋谷くん。



「ごめん、良いよ。あたし聴いてる」



「じゃあ、言うから」


渋谷くんは、台本を捲りながら今日練習する個所を開く。



長い指を使い、渋谷くんは、ページをめくりあげる。



その姿まで、かっこいいと思ってしまう。



「お前の声を聞く度にゾクゾクするよ。俺を気持ちよくさせる手も、魅力的だしな」



キャーなんて言うセリフなの!!
恥ずかしいよ……



あたしの頬は、真っ赤だ。きっと……



「……聞いてるか?」


「え?う、うん、バッチリ!」



敬礼するかのようにあたしは、手を頭の横にやる。すると、ぷっと渋谷くんは笑った。



「……アンタ、変な奴だな」



そう言って笑った渋谷くんは、笑顔が素敵だった。



もっと笑えば良いのに。



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