マミーの恋人
「あ、そうだわ。きょうはご褒美の日」



「はいはい・・・ちゃんと冷やしてます」



「仕事一段落ついたら、やっぱりこれがなきゃね」



マミーは冷蔵庫からワインを取り出した。



ソアーべの白。辛口どんな味がするのかなあ・・・



ちょっとだけ蓋をあけてにおいを嗅いで見る。



う~んなんかフルーツっぽいな・・・



メロン? りんご? なに?この香り・・・



はぁ~大人っていいなあ・・・



未知の世界だ。わたしはお酒を飲んだことがない。




「はい、マミーお疲れ様」




マミーはお気に入りのベネチアングラスにワインを注ぐ。




とてもうれしそうな顔をしてる。




マミーは実はお酒が大変お好きなのだ・・・あはは・・・




飲んでも酔わないから、かなり強いんだろうと思う。




たまに仕事の打ち合わせとかで夜遅くお酒を飲んで帰ってきても、



翌朝はけろっとしている。



「このジェノベーゼ、おいしいわね。腕をあげたわ、真凛さん」



マミーはすうっと、ワインを一口飲むと、優雅かつ大胆にパスタを口に運んだ。
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