マミーの恋人
キンコ~ン



試験終了。きょうは英語と数学と家庭科だった。



英語はパピーに指導されてた長文読解のキモが効を奏して楽勝。



数学は最後の文章題に手間取ったが、まあ当たっているだろう。



なんてこと考えてたら、スミレがわたしの席にやってきて



「ねえ、数学どうだった?」と探りを入れにやってきやがった。



「だめだめにきまってんじゃん。因数分解あたりでケアレスミスしてるかもね」



適当に答えたら、



「ありえないな・・・」と一言。



こいつ、侮れないな・・・



「なんでさ、わたしが数学だめだめなのしってんじゃん」



「いや、黒ちゃんは数学得意だし。黒板に出て問題解かされると、ノートも見ないでさくっと片付けるじゃん」



「たまたまだよ。それに数学のパパはできない生徒にはできる問題しか当てないっしょ」




「それが他の人にはできない難問だったとしてもね」



ぎくっ!!やばい。つい本気だしちまう悪い癖を見抜かれた!!



「黒ちゃんってさあ、おばかな振りが下手だよねえ・・・そこがかわいいんだけど」



ってかスミレ、あんた何者? どうしてそこまで見抜くんだ?



「ねね、黒ちゃんにさ、話があるんだ。放課後、カラオケいこ」



ってかあしたも試験あるし。




「あしたはさあ、国語と、理科と、保健と、美術でしょ?暗記物ばかりだから楽勝じゃん」



つーか、理科苦手なんだよ。




でもまあいい・・・理科ならパピーにまたライブチャットで教えてもらえるから心配ないか。なにしろパピーは医者だからな・・・精神科だけど・・・



とりあえず、あたしはスミレの誘いに乗ることにした。




スミレの言う話が何かすごくひっかかったから。

< 3 / 43 >

この作品をシェア

pagetop