マミーの恋人
キンコ~ン


無事国語の試験終了!!


答案用紙を集め終わって、教室を出るとき、パパこと、佐久間先生が


スミレを読んだ。


「真柴スミレ君、今日の放課後ちょっと、職員室に来てくれるかな?」

「え?・・・はい・・」


スミレは戸惑っている。何かやったのかな?


わたしはスミレの斜め後ろの窓際に近い席で


スミレの背中を見つめた。




放課後、試験が終わった開放感で、教室はほっとした空気が流れていた。


「スミレ、職員部屋に行かなくてもいいの?」


「うん、行くよ」


「ところで、何やった?」


わたしが聞くと、スミレはいたずらっぽい目をして


「まあ、大体察しはつくわ、あはは・・・」


と、てれたように笑った。


アゲハまつげがばさばさ揺れた。


「やっぱ、そのメイクのことなんじゃない?」


「多分ね。まあいいわ、なんと言われても。そろそろメイクするのも


面倒くさくなってきたし・・・」


なんてあっさりしてるヤツ・・・


ってか諦めが言いと言うか、こだわりがないというか・・・


わたしは呆れた。


「そもそも、なんでそんなメイク始めたの?」


「聞きたい?」


「聞きたかねーよ」


「じゃあ、教えてあげる」


「だからあ、なんでそんなに天邪鬼なんだよ~スミレは」


「ん~べつにぃ」


「わたしって、自分に素直だから、やりたいと思ったことは一応、何でもやっちゃうんだ


よね」


「はぁ、そんなもんですか」

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