マミーの恋人
マミーはピンでわたしの前髪を上げると、化粧水と下地を薄く塗り、ピンク系のファンデ


ーションを軽く乗せた。



眉の形を整え、ペンシルで薄く書き足し、ピンクとブラウンのシャドウを載せる。



目のふちに茶系のアイライン、下まぶたの際に薄いグリーンの入ったホワイトを入れる。



まつげをビューラーで上げ、唇にグロスを塗る。最後にピンクとオレンジを少々チークに



入れると、なんと言うこと!!!



「別人じゃないですか?」



「やっぱり、この子、顔のパーツがはっきりくっきりしてるから、薄い化粧でも効果抜群だわ・・・」



マミーはつぶやく。それでもってなんと、デジタルカメラを取り出してきた!!



「え、やだ、やだ・・・写真は、きらいだよお」




マミーは何も言わず微笑んだ。



「真凛さん、はい、にっこり」



チーズじゃなくて、ニッコリですか・・・



思わず、ゆるゆると力が抜ける。



うちのマミーのお得意技、必殺ゆるゆる攻撃~!!
マミーが微笑みながらおっとりと言葉を発すると、なんとな~くだけど
脱力感かんじるんだよね・・・まぁ・・・いっかあ・・・見たいな
気分にさせられちゃうの。



それをいわゆる、人徳と呼ぶのかもしれない。



娘でもわからない、不思議系なひと。



「あ、これ、いい感じ・・・」


マミーはデジタルカメラの画像を送りながらチェック入れている。
そして、かる~くこう言った。
「今度、バニラの読者モデル募集するから、真凛さん、エントリーしておくわね」

え、え、ってわたしがですかあ~

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