マミーの恋人
とりあえず、おなかがすいたということで、わたしたちは駅前のファストフード店に足を運んだ。



「ビッグマックと照り焼きバーガーと、ナゲットとポテトと、ウーロン茶」



スミレはしゃらっとオーダーした。



・・・っていうかカロリーすごいんですけど。



「スミレ、あんた大食いなのに、どうしてそんなにやせてるわけ?」



スミレの身長は160センチ、体重40キロ。ありえない。



こいつ後で吐いたりしてないだろうな・・・



一応パピーは精神科の医者なんで、拒食症とか、過食症とかの症例の知識はあるから、すごい心配になる。



「あ、あたしさあ、胃下垂なんだよね。だから食べても太らないの」



・・・・あ、そうですか。心配して損した。



「黒ちゃんはなに食べる?」



「え~と、メガマックと、ポテトと、コーラください」



「け。黒ちゃんだって結構食べるじゃん。しかも結構痩せてるし」



はいぃ?162センチ48キロのどこが痩せてるんだ?・・・・



しかも2キロ太ったし。



2年までは陸上部の帰りにファストフード寄って、下級生と、メガマックとビッグマックのせめぎあいのなかで溺れていたのだが・・・



今年の5月に3年は部活を引退したのだが、
大食いのくせだけは治らなくて、けっこう、あせっているのだ。



「着やせだよ、着やせ。あとはうちのマミーの小顔を受け継いだから痩せて見えるだけさ」
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