マミーの恋人
「そういや、黒ちゃんママは美人さんだもんねえ」


スミレはうちのマミーに憧れている。


たしかに。娘が言うのもなんだが、うちのマミーは自慢に値する。


宝塚の男役が引退して、女優に転進して旬を迎えたかんじ・・・といってもらえばわかるかな?


髪は長くてさらさらで、レイヤー入れてるし、いつもしゃきっとスーツを着こなしてるし、ハイヒールが似合うし。



ワーキングウーマンはこうあるべき、みたいな典型的な容姿。



もともとびじーんだから、けばい化粧なんかしなくてもナチュラルメイクで十分。



ハードワークなのになぜか皺が目立たない。



うちのパピーが惚れるわけだ。ちなみにパピーも結構いいセンいってる。



芸能人で言えばう~ん難しい・・・一応大河ドラマの織田信長役あたりをやりそうな感じとでもしとこうか?


背が高い。180センチある。昔は格闘技をやっていたそうでガタイはいい。



アングロサクソンの中に混ざっても見劣りはしない。



つうか、最後にパピーに会ったのは、離婚届を持って帰国してきた、わたしが1年の頃だったけどね。



まあ今は夜にパソコンつないでライブチャットしてたりするから、あんまり寂しいとか思わないし、割とメールもまめにくれるんで、今までより触れ合う時間は増えたような気がする。



マミーは、ファッション雑誌の編集長をしてて、結構いそがしい。家にいるときもあれば、何日も帰らないときもあって、不規則だ。



だからわたしは掃除も洗濯も、ご飯だって自分で作る。自立した中坊なのだ。



すぐ、お嫁さんにいけるぜ・・・



・・・・!!お嫁さん・・・・如月先輩!!



うぅうううううう・・・・・



せつねぇ・・・・心臓の収縮度がはんぱねぇ・・・



だめだ。メガマックはスミレにやろう。



如月先輩の顔を不意に思い出したわたしは



・・・・・そばにあったナプキンを大量に出して、鼻をかんだ・・・・



涙交じりのはなみず・・・
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