Mr.Unknown


「ユリお前寝癖付いてるぞ」


幼馴染みの手が私の寝癖の付いてる顎のラインで切り揃えられた黒髪を引っ張る。

「五月蠅い、ジルだって寝癖だらけじゃん」
みそ汁をチビチビ飲みながら頭を振ってその手から逃れる。

「これはワックスで散らしてんの」


「寝癖」

「お前な違うつってんだろーが」


いつもと変わらない朝、食卓にはドットおじさんにエマおばさん、ジルに私

ここに居るだけで安心する、家族でもない私を受け入れてくれるから。


ジルディア・クロリック

私の幼馴染み、日に照らされると眩しく輝く母親譲りの金髪がトレードマークで無駄に整った顔、私よりも頭二つ分高い身長。

両親共にイギリス人で私が幼い頃にプチ家出をしていた時に出会い、それからはずーっと一緒に居る気がする。

私の家はクロリック家の隣にあり、家に帰って来ない両親の代わりによく面倒を見てもらっていた、私が中学に上るぐらいから朝と夜のご飯はクロリック家の食卓に混ざって食べていた。


「お味噌汁美味しい」

「お前みそ汁ばっかじゃなくてちゃんと飯食えよ」


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