Mr.Unknown
「「行ってきます」」
二人一緒に玄関を出て学校に行く、隣りにはジルが居て何時までもこの時が続くと思っていた。
特に会話も無く、お互い朝に弱いからか学校に着くまで無言な時もよくある
二人並んでゆったりと遅刻しない程度に歩く
そんな時
ふと空気が変わった、
無音
それに近い状態になり
…………ピチャン
水が滴る静かな音が鼓膜を揺する
それと同時に
―――早く
早く目覚めて
愛しい人―――
優しく穏やかな声が耳に届く
最近……時折聞こえる声が私の中に例えようが無い
小さな恐怖を植え付けた。
「ジル」
「何?」
「………んん何でもない」
不安をごまかす為に思わずジルの手を握りたくなったけど止めた。