短編集(恋愛)
最後に泣いた日
僕が最後に泣いた日はいつだっただろうか。

思いがけずに。
意識もしないのに、涙が滝のように流れた。

あの日はいつだっただろう。どうして、今まで忘れていたんだろう。



君と僕は駅のホームで、笑顔を浮かべながら『またね。』と言った。

君が見えなくなったころ。
僕は泣いた。

思いがけずに。
意識もしないのに、涙が滝のように流れた。

帰り道。
どうやって家についたかなんて覚えていなくて。

次の日も、何時に起きて何をして。何時に寝たのかなんて覚えていない。

そんな思い出だったのに。どうして、今まで忘れていたんだろう。
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