繋いだ糸のその色を

雨の日の朝に

「つまり、てめぇは現実逃避なんだね?」

ハッと人を見下すように頬を吊り上げて、金髪のいかにもヤンキーな少年が、言った。


その少年を下から睨む(つまり彼背が低い)のはボサボサな黒髪の少年。

「や。別に俺のコトじゃないから。たま―に考えたコトあるけど決して俺のコトじゃないから」

「それ認めてるじゃねえか」

やっぱ言うんじゃなかった、と
少年は髪を掻き揚げ、さらにボサボサにしながら金髪の少年を追い越し歩き出した。髪を掻き揚げるのは厄介な癖のようだ。


その後をハハハと笑いながら、金髪の少年がついていく。


初めて見た奴はカツアゲの現場かと見える
ヤンキーと純粋派少年の2ショット

今日も変わりなく完璧に浮いてる彼らは 
2限目から学校を抜け出す。


「なァ静ァ 今日、平成何年だー?」
校門前に来た所で、金髪少年がふいに呟く。たぶん意味はない。

「え―わかんねェ」
静と呼ばれた黒髪は、とまどうコトなく抜けた返事を返す。

「ま、解ってるのは」

二人は顔を見合わせた


「「暇って事ッ」」


春もないし、青もない、青春を送るただ流れる日々。

そろそろ頭がやばい方々からすれば、喉から手がでるくらい欲しい
その若き日々。

彼らは退屈の二文字で ただただ生きている。

ま、満足はしてるんだけど。


おっと―、訂正だ
―――生きていた、今日この日までは。
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