繋いだ糸のその色を

夢の残り火

最近は人に声を掛けられる事が多い。

昨日は、静。
今日は、今朝先生が言ってた――転入生の双子。

見た目から流されやすい二宮は
呼び出しをされ、中庭に。

気付けば、眼の前に仁王立ちする二人。

「あの・・・何の用ですか・・・――如月さん・・・ですよね?」

頑張って言ったのに
二人は無言のまま、だ。

もしかして
もしかして?

コレが例に言う―――カツアゲ!?

「そんな顔しないで二宮弥生」

そう言ったのは、双子の姉の方の如月真帆。

「別にカツアゲとかそんな事するために呼んだんじゃない」

真帆は、淡々と喋った。
そんな顔をするなと言われても、そんな無表情な顔で見つめられては落ちつかまい。

次に口を開いたのは双子の弟の方だった。

「―――二宮弥生、夢は見る?」

やはり淡々とした口調。
感情が全くにじみ出ない。

気味が悪い。

こういうのを、そう言うのかも知れない。

「夢って・・・将来の理想・・・?」
「違う。夜、寝た時見る夢」

分けが解らず、二宮は戸惑う。
とりあえず答えるべきか。

「見る・・・よ」

当たり前な事じゃないか。

最近は良く夢を見る。
内容は思い出せないけど、とても長い。

とても幸せな。

こんな世界よりも
ずっとずっとずっと、何百倍も――幸せに生きている夢。


それだかはしっかり覚えてるのに
なぜか内容は思い出せない。

「どんな夢?」

再び質問される。

「あの・・・何でそんな事聞く――」
「質問にだけ答えろ」

急に強くなる口調に、二宮の顔が青ざめる。

わわわ怒らせた・・・・?
こわ―・・・

「えっと・・・どんなって・・・?」
「だから内容だ!」

怒鳴った声に、思わず眼を瞑る。
どうしよう
やっぱ聞かないで、普通に答えれば良かった

でも「覚えてない」って言ったら
もっと怒るかな・・・



「ねぇ 君達、何してんのー?」


声は後ろから聞こえた。
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