繋いだ糸のその色を
真面目な二宮は、すぐ授業に戻った。
不真面目な静は、ゆっくり屋上に戻った。

「こっからずっと見てたけど・・・
 ―――やばい雰囲気だったの?」

来るなりニヤニヤしてる真二が聞いてきた。
静はその横に、寝転がる。

「あーやばかった
 二宮さん、襲われそうになってたもん
 まじ危機一髪」

へぇー、と半ば信じてない真二の相打ちが聞こえる。

静は征服のポケットに手を入れた。
そこに覚えのない感覚がする。

何かある。
とって見ると、グチャグチャになったあの雨の日の壁の写真だった。

「・・・・あー・・・」

静は再びポケットに突っ込んだ。



< 15 / 66 >

この作品をシェア

pagetop