繋いだ糸のその色を
「にっのみやサ―――ンッッ!!」

妙なハイテンションな昼休みの中
静は二宮の席へ軽い足取りで向かう。

「・・・・・あら」

静は声を小さくして呟いた。
そして物音を立てないように近づき、すっと彼女の席の前のイスに座る。

二宮は寝ていた。

ざわつく教室の中、
二宮の周りだけ静寂なような感覚がする。
不思議と心地いい、雰囲気。

机に置かれた二宮の眼鏡をいじくりながら
起こそうか、迷い
結局、寝顔を見る方を選んだ。

見飽きない。

今度3がやるらしいラッシュアワーよりも。
ずっと司会のタモリの行動よりも。


ふと、二宮の手の下の教科書が眼に入る。
こんな勉強しやがって、細木数子先生にでもなるつもりか。

そ―っと抜き取ってページを捲る。


或るページで静の手がふいに止まる。
静かに
でも染まるように
静の眼の色が変わっていった。


その時。
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