繋いだ糸のその色を
屋上のドアを開けると
煙草をふかした真二が振り返った。

「あ― 二宮onlyLOVEの羽時くん、早いお帰りだね」

「『さん』を付けろ『二宮さん』と!!!
 二宮さんは、授業だからね、つまんねーもの」

二宮onlyLOVEの所はしっかり否定しないで、静が真二の煙草を奪う。

「俺の煙草――」と叫ぶ真二の前に、サッとノートを突き出した。

二宮のノートを。

「え?何・・・・・・」
ノートを捲りだした真二の言葉が止まった。

「もしかして二宮さん」
真二に代わって静が口を開く。

「虐められてるのかな―――」


ノートに殴り書きされた、憎悪に塗れた文字。

存在的に暗すぎ、ウザイ

赤い文字が連なって
その後書かれた黒いインクの小さな文字。

―――死にたい
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