繋いだ糸のその色を

*守備能力発揮中

「二宮さんが死んだら、俺も死の―かな」

静は、良く言う死んだ魚の眼って奴で呟いた。
真二は、呆れた声を上げる。

「あのさ―、これから二宮を助けよう、とか思わないの?」

「思うよ
 思うけど、二宮さん必死に虐められてるの隠してる気がするんだよね」

現に今まで気付かなかった。

女子の虐めは陰険で醜くて
何よりちょっと遠のけば解りにくい。
二宮がハブられてるのは知っていたが
ノートに落書きなんて漫画みたいな事されてるなんて考えた事なかった。

ま、これで虐められてなかったら爆笑だ。
虐められてなければ。

「それに、俺弱いし
 お前と居るから強がってるけど、一人じゃなんもできねーよ」


「バッカじゃね―の」
真二が立ち上がる。もうお前の事は知らないと。

「いっつもお前はそうだよな

 俺と居るから、俺と居るから――
 だったらこの強い俺様が何でお前みたいな落ちコボレと居るかっつ―の

 そういう下らない自己守備能力を発揮させて、二宮が堕ちていくのを見てるが良いさ

 羽時くん」

堂々と言ってのけた俺様真二は
堕ちこぼれ静を置いて階段を下りていく。

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