繋いだ糸のその色を
下らない守備能力・・・・――ね

言い返す言葉もない。
でも俺の言った事は間違いじゃないだろ?

真二と居るから、権力があるだけで
勉強もできない、ケンカも弱い、さらに現実逃避。
真二が俺とつるんでるのなんて、意味解んない。マジで。

静はいつものように、横になり、空を眺める。

そもそも
こんな世界に居て二宮さんは幸せ?

俺が虐めから救えたとして
こんな夢のない世界が幸せ?



もしも二宮に「一緒に死のう」と言えば、
彼女は一緒に死んでくれるだろうか――

「っわ―ッ 危な自分!何で死のうとしてんの!!」

静は一人屋上で叫ぶ。

かっこ悪い自分。


今すべき事
今守るべき人

ノートに書かれた小さな文字は
きっと二宮の文字


俺は世界に退屈してる。
二宮さんはどういうわけか死にたいと思ってる

二宮さんは苦しいから――


俺と同じにしちゃいけないよね。全く。


もしかしたら、この世界が好きだと、
そう笑うかもしれない。俺と違って。

そんな二宮を想像してにやけた静は
手にとったノートをビリビリと破り、

狂ったかのごとく、高笑いをした。たぶん狂った。

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