繋いだ糸のその色を
次の日。

真帆は遅めの登校をする。
教室に入ろうとしたその時、小さな人影がヒョイッと出てきた。

「おはよう 如月」

羽時静――か。

「おはようございます 羽時くん」
「あー君づけしなくていいから」

女なのに、自分より背の高い真帆に
静は屈辱を感じながら、見上げる。

さて、本題は。

「何で二宮さん、ずっと見てるの?」
「・・・・何の事ですか?」

とぼける気か?

「見てたでしょっず――っと!

 この前も絡んでたし、何か二宮さんにあるわけ?
 もしかして教科書に嫌がらせとかしたの―――」

「私じゃありません」
即答。
「もっとクラスを良く見れば解るでしょう
 貴方には観察力が欠けすぎています
 
 それに、私も言わせて貰いますけど、」

真帆は一息ついて
その綺麗な瞳をキッときつくし静を睨んだ。

「貴方は邪魔です

 二宮弥生を死なせたくないのなら
 この前のように私達が話してる時に、付け入らないで頂きたい」

は?
何を言うかと思えば邪魔?二宮が死ぬ?

「前々からアンタ意味わかんねーんだよ!忠告とか夢とか!何が言いたいわけ?」

「貴方に言っても解らない事です――では」

真帆は静の肩に少しぶつかって、教室に入っていった。

む―――むかつくあのアマ!!
殴り倒したい衝動を抑える。

イライラにはカルシウムー・・・
静は牛乳を買いに、よたよたと売店へ向かった。
< 24 / 66 >

この作品をシェア

pagetop