繋いだ糸のその色を
ガシャ―――ンッッ――と、耳をつんざくような音が廊下に響く。

床に、突き刺さるようにガラスの破片が飛び散った。

ガラスを割った――!?

椿の行動が理解できず、呆けている静と真二を前に、真帆がふっと笑う。

「行くよ 椿―――それじゃこの後よろしく」
「えっちょっと待―――っ」

言ったかと思えば、真帆と椿は一直線に廊下を駆けて行った。

「はっ?何よろしくってどういう事!?」
「あれの事じゃないの・・・・」
苦い顔で静が指を指す――アレ等を。


「こらアァァァァア!!!!
 何ガラス割ってるんだお前ら!!」

ガラスが割れる音より、破壊的なこの声。

ああ、なるほど。真二が納得と手を鳴らす。
音を聞きつけた先生が、やってきたのだ。

「あの・・・ボクが割ったんじゃないですからね、言ッときますけど」
異様にボクが似合わない真二が先生に言う。

対して先生は「はぁ?」と顔をしかめた。

「おっ前みたいな問題児が現場に居るって言うのに、他の誰が割るんだ!!!」

絵に描いた様な問題児の真二は
あちゃー、と首に手を当てた。

「いやだから他の問題児が・・・・」

「嘘をつくな!!職員室に行くぞ龍ノ原!!」

龍ノ原真二、職員室に連行。

―――それじゃ この後よろしく―――


「はめられた・・・・・――」

真二がヒヒと笑って呟いた。
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