繋いだ糸のその色を

ナイフ

見て解るぐらいに、二宮の体調が崩れていた。
保健室へ向かう回数がどんどん増えていく。

静は毎度の事、授業をサボり保健室へ向かう。

「羽時くん・・・・教室言っても良いよ」

申し訳なさそうに言う二宮に静は頑固として頷かなかったが今日だけは、従う事にした。

教室に戻った静が向かうのはタダ一つ――

二宮さんの机。
いやストーカーとかそんなんじゃなく、ストーカーだけど!!

最初はキョロキョロ周りを気にする静だったが
結局は開き直り、堂々と二宮の机をあさぐりだした。

他の嫌がらせ――何かあるんじゃないか

中にあった教科書など全部机の上に出す。
そして着席。

「二宮さん・・・勝手に見てごめんなさいっ」
そう言い手をパンパンと二回合わせると、静は物色を開始した。

まず見つけたのは、ビリビリに破られた教科書。
「ブス」だの落書き。
真っ二つのペン。
机裏の押しピンの仕掛け。

「・・・・・・・」

今まで静かに物色していた静が、いきなり立ち上がったので、教室に居た女子等が静を見た。

かまうものか。

静は机の教科書類を抱えると、教室の端へ歩き出した。

端のゴミ箱へと――

何の躊躇もなく、静は教科書をバッと


ゴミ箱へ解き放った。
< 31 / 66 >

この作品をシェア

pagetop