繋いだ糸のその色を
保健室に迎えに来てくれたのは、
いや迎えに来たのは、静ではなく普段話す事のない女子の数名だった。

「二宮ァー 迎えに来たよ♪」
親しげに話しかけた女子の一人。

二宮は頷く事しかできなかった。

”それだけ”の関係の子たちであれば良かったんだ――

その女子等は教室の途中の廊下まで来ると、
二宮を壁へ突き飛ばした。

予想はできていたけれど――
二宮は自然と服の裾をギュッと握っていた。

「あんた、最近調子乗ってない?」

リーダー格の女子の一人が、睨んでいった。

「龍ノ原と羽時と仲良いよねー」
「寝て落したん?」
キャハハッと女子等が笑う。

「あ・・・あんた達が・・・嫌がらせして「――黙れ」

言った女子の眼が冷たく見ている。

やっぱり、この人達が嫌がらせしてたんだ。
二宮は確信した。

「は?嫌がらせとかしてないけど?」
「でも二宮ってー・・・暗いしー」
「存在的にウザイっていうかァ?」

「虐められても当然って感じだよねー」

突き落とすように
リーダー格の女子が言った。


「生きてても意味ないよね」
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