繋いだ糸のその色を
壁
次の日――いや、日は明けちゃったからその日、学校へ行くと、そこには二宮が机に座って居た。
静はひょうしぬけた。
正直言うと、二宮は学校を休んでしまうと思っていたから―――
教室に入ってきた静に気付くと、頬や腕にバンソウコウをペタペタ張った二宮が、「おはよ」とニッコリと昨夜の事は嘘のように笑った。
「おっ・・・おはよ!」と戸惑い丸出しに静が言うと、二宮はおかしそうに笑った。
その日は特に何もなく、静は二宮と過ごした。
その次の日も、また次の日も――
その間に、保健室の回数は増えていくし、如月の双子がずっと二人を監視しているのは気付いてるのに、それさえ忘れさせるぐらいに、二宮はいつも笑っていた。
今日は、真二の停学明けでもあって、いつものように何もなく平和に終わるんだと思っていた。
現実は、不安定な思春期のように、クルクル変わっていくのに―――
「龍ノ原くん、来ないね」
昼休み。
お弁当を口に含みながら、二宮が言った。
既に食べ終えた静は、いちいち真二の事を言う二宮に
ちょっとやきもちしながら、やっぱり真二が学校に
来ない事を気にしていた。
今日は来るって言ってたのにな―――
「あっ 私、昼休み体育委員だった!」
いきなりそう言って、二宮が席を立つ。
勿論、二宮自信が体育委員だどに候補したのではなく、流れ流され入れられちゃったわけだ。
だが、そんなトコも愛おしい静はかなりオヤジ化してきたようだ。
「じゃ 俺もいこっかな―」
そんな事言えば、前までメッチャクチャ嫌そうな顔をした二宮だったが、今は素直に
「うん」
と頷くだけ。
自分でも気付けない、小さな進歩は日々起きている。
その進歩でも、乗り越えられない壁はあるけど―――
静はひょうしぬけた。
正直言うと、二宮は学校を休んでしまうと思っていたから―――
教室に入ってきた静に気付くと、頬や腕にバンソウコウをペタペタ張った二宮が、「おはよ」とニッコリと昨夜の事は嘘のように笑った。
「おっ・・・おはよ!」と戸惑い丸出しに静が言うと、二宮はおかしそうに笑った。
その日は特に何もなく、静は二宮と過ごした。
その次の日も、また次の日も――
その間に、保健室の回数は増えていくし、如月の双子がずっと二人を監視しているのは気付いてるのに、それさえ忘れさせるぐらいに、二宮はいつも笑っていた。
今日は、真二の停学明けでもあって、いつものように何もなく平和に終わるんだと思っていた。
現実は、不安定な思春期のように、クルクル変わっていくのに―――
「龍ノ原くん、来ないね」
昼休み。
お弁当を口に含みながら、二宮が言った。
既に食べ終えた静は、いちいち真二の事を言う二宮に
ちょっとやきもちしながら、やっぱり真二が学校に
来ない事を気にしていた。
今日は来るって言ってたのにな―――
「あっ 私、昼休み体育委員だった!」
いきなりそう言って、二宮が席を立つ。
勿論、二宮自信が体育委員だどに候補したのではなく、流れ流され入れられちゃったわけだ。
だが、そんなトコも愛おしい静はかなりオヤジ化してきたようだ。
「じゃ 俺もいこっかな―」
そんな事言えば、前までメッチャクチャ嫌そうな顔をした二宮だったが、今は素直に
「うん」
と頷くだけ。
自分でも気付けない、小さな進歩は日々起きている。
その進歩でも、乗り越えられない壁はあるけど―――