繋いだ糸のその色を
「ここなら、邪魔が入らない」

微笑んで真帆が言った。
二宮は、何も疑わず、あれ?とまた首をかしげた。

「如月さんも、体育委員・・・・?
 あの、場所間違ってるの―――」
「委員会なんかあるわけないよ」

真帆に代わって椿が言った。
その足はゆっくり二宮に歩みながら。

「今度こそ あんたの夢を狩るんだから―――」

―――眼が・・・

冷酷なほどに黒く澄んだその眼に、ゾクッと寒気を感じた。
二宮は、自然と手を胸にやり一歩後ろに退く。

「羽時くん・・・・逃げよう」
震える手で、二宮が静の服の裾をギュッと掴む。

「よく解んないけど・・・この人達から逃げないといけない気がする・・・・!」

それは本能が語りかけるような
体の奥の誰かが、「逃げろ」と言ってる


あいつらに

夢の世界を奪われて良いの?


「――――嫌だよ」


ピエロが、意地悪く笑って言っている。


静は二宮の腕を引っ張って、本能的に裏口へ向かって走った。
良く解らないのは静も一緒。

でも確かに、コイツらは何かがやばい。
とりあえず二宮を狩るだなんだ、危険な事をやろうとしてんのは確か。

だが、それはすぐに無理と解った。



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