繋いだ糸のその色を
裏口を開け、明るい外へ飛び出す――


バシン――ッと電気が走ったような物凄い力で、静と二宮は跳ね返された。

跳ね返された――――何に?

思いっきり地面に打ち付けられ、すぐさま顔をあげる。

ありえない。でもありえていた。

裏口の向こうに広がる景色は、見慣れた木々の景色ではなく、
グッチャグチャに色んな世界が絡まり混ざった―――そう 異次元が広がっていた。

ゆっくり手をのばす。
手は、パシンと見えない幕に跳ね返された。

「この空間から出るのは無理よ
 私達が、外と糸を切っているから」

後ろで真帆の声が聞こえる。

嘘だろ・・・・―――?

待て、落ち着け。
俺は誰?いやそれは解ってる。
眼の前に広がっているモノは何?

いつから、こんなファンタジーな物語になったわけ?


「――――!?」

ボオォ――と地面が光った。
眩しくて眼を開けられない。


「『夢』を取らせてもらうよ」


聞こえたのは、椿の低い声。



そして大きな轟だった。
< 46 / 66 >

この作品をシェア

pagetop