繋いだ糸のその色を
世界が真っ白になる。それは以前、二宮が倒れた時も感じた。

でもあの時とは全く違う、本当の真っ白。

まるで、その場面を何回も何回も繰り返して、何年も立ったそんな感覚を覚えた。

長い記憶の漂流の後、静はそっ――と眼を開けた。

眼に入ったのは
まるで自分を庇うように、真っ直ぐに立っている二宮だった。

言葉を失った。
驚いているのか、なんなのか解らない。

何が起きたのか解らない―――


そんな静を見て、二宮が静かに笑った。
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