繋いだ糸のその色を

悪夢

その頃、真二は運動場を堂々と横切っていた。
右手には、さっきから無機質なコールが鳴り響く携帯を持って。

「おっかし―な・・・」
何回、静にかけても繋がらない。

今日は、店の手伝いがあって遅くなると連絡しようと思っていた。
結局、できないまま学校に着たけど・・・・

何かあったんだろーか――――

「ん?」

一瞬、体育館の窓から溢れんばかりの光が見えたような気がした。

ここ最近は、体育館の壁の取替えだとかなんとかで、体育館は出入り禁止だったはずだが。
その前に、何だあの光?

ふいに真二は、校舎へ向けた足をクルッと体育館へ向けた
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